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写真映え”も指南する「芝ざくら案内士」
スポットAI「ToyTalk」でトライする観光案内DX

 

約28万株の芝ざくらが小貝川の流れを彩る、栃木県市貝町の芝ざくら公園。最盛期には開花状況や経路の問い合わせが集中し、スタッフの対応負荷が課題だった。

同町は株式会社ブリッジウェルのスポットAI「ToyTalk」の試験導入を決定、公式案内役「芝ざくら案内士」が誕生した。2026年3月27日から4月30日にかけて、HPやSNSへのリンク掲載や、会場でのQRコード掲示などにより、来場者の利用を促進。芝ざくら写真コンテストに合わせた“写真映え指南”まで組み込んだ試験運用を行った。 

 

 

市貝町 産業振興課 商工観光係
係長 鈴木 慎吾

2012年入庁。商工観光、税務、道の駅を担当し、令和6年より同課配属。

現在は町の商工・観光に関する業務全般を担う。芝ざくらまつりにおいては、開催実行委員会の事務局として、運営上の手続きや企画を行っている。

 

 

 

 

 

 

最盛期の問い合わせを、まず“試しに”AIへ 

 

まず、「芝ざくらまつり」運営の課題と、ToyTalk導入の背景からお聞かせください。 

市貝町芝ざくら公園は平成18年に開設した町の観光拠点で、約1万8000平方メートルの斜面に赤・ピンク・紫・白の4色、約28万株の芝ざくらが植栽されています。この地域を源流とする小貝川の流れをイメージした配色で、植栽面積は本州有数の広さです。毎年県内外から多くの方が訪れる「芝ざくらまつり」は今年で18回目を迎え、4月4日から30日まで開催いたしました。例年、芝ざくらまつりの最盛期になりますと、開花状況や経路のご案内など、多岐にわたるお問い合わせが集中し、スタッフの対応負荷が課題となっておりました。そうしたなかで、コストを抑えつつ手軽に導入できる「ToyTalk」の存在を知ったのです。最新のAI技術を活用した業務効率化と、来場者の皆様への新たな案内手段を模索していたところでしたので、まずは試験的な取り組みとして導入いたしました。 

 

「芝ざくら案内士」に“写真映え指南”を仕込む 

 

「芝ざくら案内士」は、どのような考えで設計されたのですか。 

導入にあたっては、キャラクター設計や回答範囲について、イベントとの親和性を意識しました。具体的には、芝ざくらまつりにおける来場者参加型の企画である「芝ざくら写真コンテスト」に合わせ、“映える写真の撮り方を教えることが得意な人物”という設定にしています。

写真コンテストは芝ざくらまつり実行委員会が主催し、まつり期間中の芝ざくら公園や芳那の水晶湖の風景を対象に、毎年作品を募集しているものです。そこから、芝ざくら案内士から「写真映え指南」ができるよう、回答範囲に組み込むというアイデアが生まれました。 

 

現場での運用はいかがでしたか。 

ホームページや会場本部などでQRコードを提示し、来場者の皆様がご自身のスマートフォンから読み込んで気軽に質問できる環境を整備しました。

具体的には、町のホームページと公式SNSのほか、会場では本部テントやプレハブに掲示しています。まつりの開幕は4月4日でしたが、AIによる案内は3月27日から先行して公開し、来場前の方にもご利用いただけるようにしました。また、皆さんに最新の開花情報をお届けできるよう、職員がこまめにAIの情報を更新していましたね。ToyTalkの運用によって、現場における問い合わせ対応の負担を分散し、新たな情報提供の形態を試験的に実践することができたと思います。 

 

開花状況や駐車場といった一次案内から、さらに広げられた点はありますか。 

今回は試験運用という位置付けでしたが、開花状況や駐車場といった基本情報だけでなく、写真の撮り方など、来場体験に寄り添う情報提供の可能性を探りました。10ラリー以上続いた対話が13件あり、最長では19ラリーの対話も確認され、手応えを感じています。短い対話から、より深い対話まで、利用者の方々がそれぞれの目的に合わせて活用されている様子を見て、AIによる案内の有効性を実感することができました。 

 

公式案内役「芝ざくら案内士」。写真コンテストに合わせ、映える写真の撮り方を教えることが得意な人物として設計されている。

会場に掲示したQRコード。町ホームページ・公式SNSのほか、本部テントやプレハブに掲示し、来場者が自身のスマートフォンでアクセスできる環境を整えた。

 

一次対応をデジタルへ 職員は運営とおもてなしに 

 

職員の皆さんの負担という点では、どのような手応えがありましたか。 

見頃の時期には会場までの道路が渋滞することもあり、駐車場やアクセスに関するお問い合わせも多く寄せられます。設置期間中、繰り返し発生する定型的な質問の一部をAIが受け止めることで、まずはデジタルによる一次対応という新しいフローを現場で試すことができました。スタッフがより本質的な運営業務に注力するための環境づくりに向けて、AIがどのような役割を担うことが最適か、フィードバックにより貴重な検証材料を得られたと考えております。 

 

取得したログからは、どのような傾向が見えましたか。今後の展開もあわせてお願いします。 

設置期間中は、172ユニークユーザーから271会話の利用がありました。また、取得したログのフィードバックにより、開花状況や見頃、アクセスといった基本的な質問が多く、特に来場前のお客様に対しての情報提供に有用であることが分かりました。今回の結果を踏まえ、AIによる情報提供を実施していることの周知を図りつつ、他のイベントや行政サービスへも展開していきたいと思います。 

 

最後に、これからの観光・住民サービスの展望をお聞かせください。 

限られた人的リソースの中で、いかに質の高いサービスを維持・向上させていくかは、全国の自治体が抱える共通のテーマだと思います。今回の取り組みを通じて、AIが観光行政に対して担える役割や、運用面での課題を具体的に把握することができました。今後も、町民の皆様や来場者の皆様にとって、より便利で心地よいサービスを提供できるよう、新たな技術を柔軟に取り入れながら、最適な観光・行政サービスのあり方を模索し続けてまいりたいと思います。 

 

約28万株の芝ざくらが咲き誇る、息をのむような光景。今年は開幕に合わせて、新しいモニュメントもお披露目された。

(回答日:2026年9月9日/書面によるご回答)

 

スポットAI「ToyTalk(トイトーク)」とは

窓口やイベント会場、避難所など、特定の “スポット” での案内に特化した対話型AIサービス。

現地に掲示されたQRコードをスマートフォンで読み取るだけで利用でき、自治体の規則や案内資料など登録した内容を参照して、その場所に応じた回答を返す。

利用者が話したり入力したりした言語を判別しての応答や、オリジナルキャラクターの設定も可能。

祭事の事前案内や災害時の初動マニュアルなど、自治体での活用が広がっている。

 

芝ざくら案内士

芝ざくらまつりの見どころや開花状況、アクセスなどを案内している「芝ざくら案内士」のキャラクターはこちら

 

株式会社ブリッジウェル

株式会社ブリッジウェル 共同代表 筒井訓章氏のインタビュー記事はこちら

 

市貝町 産業振興課 商工観光係

〒321-3493 栃木県芳賀郡市貝町大字市塙1280番地

TEL:0285-68-1118

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