一般社団法人 自治体DX推進協議会

「らくらくシェルターテント」が実現する
避難所の新たな可能性

近年、大規模な自然災害が頻発する中、避難所の環境改善が急務となっている。特にプライバシーの確保は、避難生活の質を大きく左右する重要な課題である。そんな中、イベント用テントで培った技術を活かし、避難所用テント「らくらくシェルターテント」を販売しているのが株式会社アートデポだ。「Make It Easy for anyone」をスローガンに、誰もが簡単に設営でき、プライバシーにも配慮した同社の製品は、発売から3年で3,800台以上が全国の自治体などに採用され、大きな注目を集めている。避難所の新常識を切り拓くアートデポの取組とは?

 

 

 

株式会社アートデポが切り拓く避難所の新常識

 

―御社の設立の背景からお聞かせください

当社は元々、イベント用のワンタッチテント「ブルームテント」の開発・販売をきっかけに設立されました。従来のテントは頑丈で重いスチール製のパイプを使用しており、1台の設営に5~6人で30分以上かかっていました。それがブルームテントでは、アルミフレームを使用することで軽量化を実現し、わずか2人で3~5分程度で設営できる画期的な商品となりました。学校行事などで大変好評を博し、これが会社設立のきっかけとなりました。

 

―事業コンセプトを教えてください

当社は「Make It Easy for anyone」をスローガンに、これまで手間と時間がかかっていたものを簡単にするような商品開発を事業の中心としています。ブルームテントの開発で培った、軽量でコンパクト、そして簡単に設営できる技術を応用し、他の商品にも展開しています。中でも防災用テント「らくらくシェルターテント」は、当社の代表的な商品の一つです。

 

プライバシーに配慮した避難所用テント

 

 

東日本大震災の避難所環境がきっかけ。プライバシー確保と快適性を両立する設計に

 

―らくらくシェルターテントの開発のきっかけは?

東日本大震災後、避難所の劣悪な環境が問題視されたことが開発のきっかけです。プライバシーに配慮しつつ、もっと手軽に導入できる避難所用テントを目指して開発しました。らくらくシェルターテントの主な特徴は、1つ目が、天井と出入口の開閉方法を工夫し、状況に応じて使い分けられること。2つ目が、難燃性の高い素材を使用し、日本防炎協会の認定を受けていること。3つ目が、コンパクトな収納と簡単な設営。4つ目が、大人が立った状態で着替えができる高さ設計です。こうした使い勝手の良さから、避難所用だけでなく、学校行事やイベントでの活用も広がっています。

 

―販売実績と自治体への導入状況を教えてください

発売から3年で3,000台を売り上げるヒット商品となり、さらに屋外使用にも対応した「DX(デラックス)」もラインナップに加えました。2024年3月時点で、20自治体での導入を含め、3,800台以上を販売させていただきました。

 

―避難所でのプライバシー確保における課題と、らくらくシェルターテントの課題解決力について教えてください

避難所では着替えや授乳など、プライバシーの確保が重要な課題です。らくらくシェルターテントは、ファスナー開閉により出入口や天井からの視線をカットできるため、個人のプライバシーを守ることができます。また、メッシュ幕の採用により、密閉時でも適度な換気が可能。衛生面での課題もクリアしています。
広々とした空間で足を伸ばせるため、エコノミークラス症候群などの健康リスク予防にも配慮しました。簡単な設営・収納、コンパクトな収納サイズなど、優れた利便性で避難所運営の負担軽減にも貢献します。

 

―らくらくシェルターテントが目指す、安心で快適な避難所環境とは?

私たちは、「プライバシーが守られ、ストレスを感じない避難所での暮らし」の実現を目指しています。ファスナーで出入口と天井を閉じることで、プライバシーを確実に保護。一方、メッシュ幕の採用により、圧迫感を軽減しつつ適度な換気も確保します。加えて、約2.1mの高さを確保した広々とした設計で、快適な個人空間を提供。
避難所運営における省力化と、被災者の心身の健康維持。その両立を、らくらくシェルターテントは支援します。

 

―屋外設置にも対応した新商品DX(デラックス)について

学校の校庭や球場での避難所設置を想定し、屋外設置にも対応した「らくらくシェルターテントDX(デラックス)」を新たに開発しました。従来品に比べ、より一層設営・片づけがラクで持ち運びも簡単です。 約2m四方の「DX-S」と、幅約2m×奥行約4mの「DX-W」の2サイズを用意しました。どちらも高さは2.1mの広々快適な設計です。屋内外を問わず、多様な避難所環境に対応できる商品ラインナップを目指しています。

 

―今後の防災対策における自治体の役割と、御社の展望についてお聞かせください

防災は、個人レベルでの備えだけでなく、自治体が主導して地域全体で取り組むことが重要だと考えます。避難所の環境改善や備蓄の充実など、自治体の積極的な姿勢は、住民に安心感を与えるだけでなく、魅力的で住みやすいまちとしての評価にもつながるはずです。
「もしもの時には、この自治体なら安心して避難生活を送れる」と住民に思ってもらえるような、災害に強いまちづくりを推進していくことが、ひいては定住人口の増加や地域の活性化にもつながっていくと思います。
当社では「誰でも簡単に」をコンセプトに、今後も防災の観点から生活をより良くする商品開発を進めながら、自治体との連携を深め、自助・共助・公助が一体となった災害に強い地域づくりに貢献できればと考えています。

(取材日:2024年4月24日)

 

「らくらくシェルターテント」(株式会社アートデポ)の資料請求・お問合せはこちら

 

 

株式会社アートデポ

https://art-depot.jp/

〒500-8243 岐阜県岐阜市細畑華南51番地1

TEL:0120-976-694(ECサイト:キャンバスデポ)

関連記事

カテゴリ一覧

アーカイブ

その他の自治体DXガイド

受身のDXからの脱却。生成系AIで実現する自治体主導の自治体DX(サニタイザーAIゲートウェイ)

受身のDXからの脱却。生成系AIで実現する自治体主導の自治体DX(サニタイザーAIゲートウェイ)

「生成AI開国の地」横須賀市、ChatGPTで業務効率化を推進

「生成AI開国の地」横須賀市、ChatGPTで業務効率化を推進

自治体の防災力を支える気象災害リスク可視化システム<br>HalexForesight!

自治体の防災力を支える気象災害リスク可視化システム
HalexForesight!

備蓄品管理の効率化で 自治体の防災力向上を支援

備蓄品管理の効率化で 自治体の防災力向上を支援

自治体DXガイドの一覧はこちら

無料相談・お問い合わせ

地方自治体と事業者の架け橋となり、デジタルトランスフォーメーションを通じて地方創生を加速するパートナーシップの場を提供します。お気軽にお問合せください。

無料相談・お問い合わせ

TOP

一般社団法人 自治体DX推進協議会